カメムシ目カメムシ科
雲南市木次町山方 ふるさと尺の内公園 2024.4.14
島根県では最もよく見るカメムシ、クサギカメムシ。
いつの間にか民家内に侵入するため、大変嫌われている。
刺激すると何ともえぐい臭いを発するため警戒される。
そのため、ガムテープで窒息死させられたり、灯油を入れた瓶に落とされたり、あらゆる方法で虐待される。
地域によっては「はっとうじ」「おじょうさん」などと呼ばれ、生活の身近にいる虫だ。
よく見れば顔も動きもかわいらしく面白いのだけれど、理解者は極めて少ない。
飯南町志津見 2020.9.27
主食はスギやヒノキなど針葉樹の球果だ。
花粉の飛散量が多い年は球果の結実も多い。
結果的に越冬するクサギカメムシも多くなり、翌春に多く飛来するという仮説がたてられる。
スギやヒノキの球果が少なければ、果実を吸うため農業被害が増える。
カメムシが多い年は積雪が多いというオカルトがよく聞かれるが、球果の結実量との関連性があるかもしれない。
いずれにしても被害を受ける田畑や民家と、発生場所である森林の場所が違うため、防除が難しいのだ。
飯南町志津見 2021.9.5
モミジにとまる5齢幼虫。
6月から7月ごろに28個ほどの塊で産まれた卵は、夏に羽化。
5齢幼虫を経て、8月ごろに成虫となり、10月ごろから越冬場所を求めて民家に飛来する。
冬が明け翌春、成虫たちは植物を吸い、初夏の産卵に備える。
幼虫が民家に飛来することはまれなため、あまり目にする機会はないが、鎧のようで美しい。